地球気候系の診断に関わるバーチャルラボラトリーの形成(VL)について
本事業では、地球気候系の診断を行うために、我が国において気候・環境研究を推進している4つの研究拠点センターが中心となってバーチャルラボラトリー(VL)を形成し、各拠点センターの特色と研究資産を活かした研究と教育を分担・連携して行っている。また、連携の形成によって、学生や若手研究者の現場教育と育成のために、機関の枠を超えたセミナーや研究会・講習会を開催し、我が国における当該分野の研究・教育レベルの向上に努めている。
東京大学大気海洋研究所
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本事業において最終的にめざす気候系の診断方法の確立に向けて、大気海洋研究所は地球気候モデルの改善とデータ同化解析技術の開発を通して、気候モデル計算結果の比較解析・モデル改良を行う。また、各拠点がこのような気候モデリング結果を利用して、気候形成と気候変化メカニズムの理解の改善を図るための支援を行う。得られた大気海洋モデル群、データ解析ツール群を統合することにより、各研究拠点がより連携して機能するバーチャルラボラトリーを目指す。また、バーチャルラボラトリーに、より多くの大学等の研究グループが参加できるような研究交流を推進し、それを可能にするシステムの改良を実施する。
本研究所では、気候モデルの開発とその改善、それを利用したモデルシミュレーションに特化した研究を行う。このような研究に必要な衛星データ、物質循環データ、水循環データの取得と、モデル値と比較するためのツールは他拠点で開発したものを用いる。また、連携講義に関しては、開催経費と学生の参加費負担を拠点全体で分担する。
千葉大学環境リモートセンシング研究センター
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本事業において最終的にめざす気候系の診断方法の確立に向けて、千葉大学環境リモートセンシング研究センターは、衛星データのアーカイブ及び衛星データの解析や検証技術の開発を担当し、気候モデル計算における比較解析やモデル改良に寄与する。また、アジア域を中心に展開されている放射観測ネットワーク SKYNET をコミュニティと
ともに運営し、衛星、モデル検証のために必要とされる大気および放射データを提供する。当センターにおける環境研究に必要となる気候モデル、物質循環データ、水循環データ等については、VLの拠点センターで開発・整備した成果を有効に活用する。
名古屋大学宇宙地球環境研究所
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本事業において、最終的にめざす気候系の診断方法の確立に向けて、地球水循環研究センターは降水系に関する地上観測機器を用いた観測データの取得、水収支解析法の開発、雲解像数値モデルCReSSの開発を分担し、各拠点と連携して観測データと気候モデルの比較解析を行い、気候変化メカニズムの理解に寄与する。講習会(連携講義)を輪番で担当し、担当年以外にも講習会開催に協力し毎年の講習会開催を可能にする。
本研究所では、水循環データの取得と水収支解析を主とした研究を行い、気候モデル、衛星データ等は他拠点で開発・整備したものを用いる。講習会の開催経費と学生の参加費負担を拠点全体で分担する。本研究所主催のユネスコIHPトレーニングコース等の講習会参加費を支援し若手研究者の育成を図る。
東北大学大学院理学研究科大気海洋変動観測研究センター
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気候変動予測の診断にとって不可欠な物質循環に係るデータ利用とモデル高度化を活性化するために、観測およびモデル解析を通して、温暖化の原因となっている温室効果気体の地球規模の変動と循環、ならびに気候に大きな影響を及ぼすエアロゾルと雲の諸特性を解明する。また、輪番で毎年開催する講習会の担当あるいは支援を行う。
事業実施経費のうち、物質循環解析に係る部分について負担。交付金所要額は、法人負担額のうち、温室効果気体や雲、エアロゾルの観測およびモデル解析の実施に必要となる教員の人件費などについて計上。また、本学学生に係る講習会出席の旅費負担を行う。
更新情報
- 20/02/04 : 過去の講習会を更新
- 18/10/25 : VLデータベース・過去の講習会を更新
- 17/09/08 : 活動実績を追加