海洋生態系変動分野 Ecosystem Research Section

VISION

海洋生態系の仕組みと変動の謎に挑む

海の恵みをもたらす海洋生態系の営みは、海の環境や変動と密接に関係しています。海における光合成は下層から供給される窒素・リン等の栄養塩によって支えられていますが、生産速度は物理環境の違いに対応して海域間で大きく異なり、時間的にもダイナミックに変動します。動物プランクトンや魚類の卵稚仔は、海流等によってどこに運ばれるか、またその間に好適環境に遭遇できるかによって、成長や生き残りが劇的に異なります。海洋生態系変動分野では、調査船を用いた日本沿岸および北太平洋の物理環境と生態系の調査、コンピュータを用いた生態系モデリング、各種データ解析を通して、海の環境と生態系変動の実態と連関メカニズムを調べています。

研究・教育の方針

海洋生態系変動分野は、2010年に大気海洋研究所内に設立された地球表層圏変動研究センターの4つの分野の1つとしてスタートしました。地球表層圏変動研究センターは、東京大学の海洋・大気研究において、観測やラボ実験を中心として取り組んできた海洋研究所と、数値シミュレーションを主な手法としてきた気候システム変動研究センターが統合して大気海洋研究所となった際に両者のシナジーを効果的に生み出す目的で設置されたものであり、海洋生態系分野でも観測とモデリング、データ解析等を組み合わせて多角的、効率的に研究を推進します。

大学院生に対する指導は、基礎の再確認・学習を徹底した上で、新しい研究テーマ、研究手法へのチャレンジを教員と研究室メンバーがサポートします。伊藤研究室では、定期的に研究船を用いて沿岸から外洋域まで様々な調査を実施しており、海というフィールドを体験しながらその実態を学ぶこともできます。また、国際学会における成果発表等、学生が国際的舞台を経験する機会を積極的に提供します。大学院入学やPDとしての所属をご希望の方は、Contactページをご覧ください。