SLCPの環境影響評価と削減パスの探索による気候変動対策の推進 中島映至 / 東京大学大気海洋研究所教授 |
テーマ3:数値モデルによる気候・環境変動評価と影響評価
テーマリーダー:竹村俊彦(九州大学応用力学研究所 教授)
- 成果目標
- 数値モデルを用いた短寿命大気汚染物質(SLCP; エアロゾル・微量気体)による気候変動・健康・農業への影響の評価
- 将来の短寿命大気汚染物質の最適削減経路の提示
- 研究概要
SLCPの全球規模分布の把握および放射強制力の見積もりは、これまでの数多くの研究においてなされてきた。しかし、温室効果気体による気候変動・健康影響・農業分野への影響などは研究がなされてきたものの、SLCPによるそれらの影響評価が統合的になされた例はない。しかし、CCACの活動が重要視されていることが象徴しているように、SLCPの統合的環境影響の科学的評価が国際的に求められている。
そこで、本テーマでは、これまで開発してきたSPRINTARSやCHASERなどのエアロゾル気候モデルおよび化学気候モデルなどを用いて、テーマ1および2で作成されたSLCPの排出量インベントリおよび排出量シナリオをベースとして、SLCP濃度変化に伴う現在および将来の気候変動(気温・降水量・海面水位など)・健康影響・農作物収量変化の評価を全球規模で行う。また、計算結果に基づき、温室効果気体とSLCPの両者を考慮した気候変動緩和のための最適削減経路を提示するための情報を創生する。
- サブテーマ
3.1. サブテーマ(1): 数値モデルを用いたエアロゾルによる気候変動の評価
(国立大学法人九州大学)
3.2. サブテーマ(2): 数値モデルを用いた短寿命微量気体による気候変動の評価
(国立大学法人名古屋大学)
3.3. サブテーマ(3): 短寿命大気汚染物質による気候変動に伴う健康へのインパクト評価
(国立大学法人京都大学)
3.4. サブテーマ(4): 短寿命大気汚染物質による気候変動に伴う農業へのインパクト評価
(国立大学法人茨城大学)
3.5. サブテーマ(5): 短寿命大気汚染物質による気候変動に伴う水循環変動の評価
(独立行政法人海洋研究開発機構)
3.6. サブテーマ(6): 短寿命大気汚染物質・雲・降水相互作用に伴う領域気候変動の評価
(学校法人近畿大学)