2016年5月13日毎日新聞朝刊にて
地球表層圏変動研究センター 佐藤正樹教授の記事が掲載されました。
(2016年7月13日)
掲載内容:
「ひまわりEYE 雲の予測、現実並みに」
ひまわり8号からは、宇宙空間に浮かぶ青い地球上で刻一刻と変化する白い雲の動きを見ることができる。東京大と海洋研究開発機構が共同開発した超高解像度全球大気モデル「NICAM」は、数値シミュレーションによってひまわり8号の画像と見間違えるような画像を描くことができるようになった。
<右>図は、昨年12月13日の地球の表面を、3・5キロ間隔で分割してNICAMでシミュレーションした雲の画像だ。<左>図は、同じ時刻のひまわり8号の赤外画像。NICAMの画像では、フィリピン付近の熱帯の雲の塊から台風27号が生まれる様子が、現実の画像と同様に分かる。
一方、ひまわり8号は2キロ間隔の画像が得られるが、同じ解像度でNICAMによる数値シミュレーションを実現するには、スーパーコンピューター「地球シミュレータ」や「京」が必要だ。
二つの図を比べると、NICAMの方がやや雲が多く、雲の生成過程のモデルを改善する必要性が示唆される。ひまわり8号のデータは数値シミュレーションの検証や改良、コンピューターを使った予測の基礎データ作りに役立つ。今後、NICAMやスーパーコンピューター、人工衛星のデータが、気象・気候予測のシミュレーション研究に大きな変革をもたらすだろう。(佐藤正樹・東京大大気海洋研究所教授)
新聞画像:
※ 新聞社様より公開許可を頂いております。
元サイズ画像はこちら(別ウィンドウで開きます)
毎日新聞電子版:
http://mainichi.jp/articles/20160513/ddm/013/070/048000c