2021年9月4日
「富岳」成果創出加速プログラム2021年度シンポジウム
「富岳」× 極端気象予測 ~「富岳」による極端気象予測の新しい世界~
概要
開催日時
2021 年 9 月 4 日(土)13:30 から 16:30
開催場所
Zoomによるオンライン開催
参加費
無料
申込
事前登録制となります。リンク先のサイトよりお申し込みください。
(申込フォームURLの連絡は8月下旬を予定)
申込締め切り
2021年8月25日(水)(先着順:定員になり次第、締め切ります。)
主催
東京大学大気海洋研究所
後援
一般財団法人 高度情報科学技術研究機構
開催概要
今年も7月上旬に梅雨前線に伴って各地に「線状降水帯」が発生し、大きな災害を引き起こしました。近年、毎年のように、集中豪雨や台風等の極端気象現象による激甚災害が頻発しています。本課題では、激甚化する極端気象現象からの防災・減災を実現するために、スーパーコンピュータ「富岳」を用いて大規模アンサンブルの高解像度気象予測実験を実施し、未来の天気予報技術の確立を目指します。本シンポジウムでは、本プログラムで取り組む極端気象予測の最新の研究のトピックスを紹介いたします。
プログラム
司会 : 宮川 知己(東京大学 大気海洋研究所・准教授)
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13:30~13:35
ご挨拶
宅間 裕子((文部科学省研究振興局参事官(情報担当)付 計算科学技術推進室長)
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13:35~13:45
「「富岳」成果創出加速プログラム「防災・減災に資する新時代の大アンサンブル気象・大気環境予測」課題の研究紹介」
佐藤 正樹【課題代表】(東京大学 大気海洋研究所・教授)
昨年度より開始した「富岳」成果創出加速プログラムの本研究課題では、集中豪雨や台風等の極端気象予測の向上のために、「富岳」による高解像度の大アンサンブルシミュレーションを行ってきました。本講演では、今夏の顕著な気象現象を振り返るとともに、本課題でどのように極端気象予測の向上に取り組んでいるか紹介いたします。
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13:45~14:25
~テーマ1~「次世代の数値予報に向けた気象雷モデルの開発」
佐藤 陽祐(北海道大学理学研究院 地球惑星科学部門・特任准教授)
雷放電は高度に電子化された現代社会において大きな脅威です。また航空機をはじめとした公共交通機関の安全運行のために、高い精度で雷を予測することが求められています。しかしながら現在の数値天気予報では雷を直接扱っていません。北海道大学では1〜2日前に雷頻度を精度よく予測するために雷を直接扱う気象雷モデルの開発をしています。この気象雷モデルと富岳を用いた初期的な計算結果の紹介や、将来の雷予測に関する展望について解説いたします。
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14:25~14:40
~Topics~「「富岳」を使ったゲリラ豪雨予報」
三好 建正【テーマ横断代表】(理化学研究所 計算科学研究センター データ同化研究チーム・チームリーダー)
2021年7月20日から8月8日までと8月24日から9月5日までの期間、首都圏において30秒ごとに更新する30分後までの超高速高性能降水予報のリアルタイム実証実験を行っています。「富岳」を生かすことで前年よりも20倍大きな1000通りのアンサンブル計算を行い、システム全体を改良しました。また、30分後までの予報を10通り計算し、確率的な予報を行いました。この発表では、本実験について紹介します。
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14:40~14:45
質疑応答
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14:45~14:55
休憩
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14:55~15:35
~テーマ2~「令和元年房総半島台風の発生前からの予測シミュレーション」
山田 洋平(海洋研究開発機構 地球環境部門・特任研究員)
令和元年9月は令和元年房総半島台風が発生し、千葉県に大きな災害をもたらしました。「富岳」を用いて令和元年房総半島台風を対象とした2週間から1か月の1000通りの全球高解像度アンサンブルシミュレーションを実施しました。台風発生以前の段階からシミュレートした結果、令和元年房総半島台風と同様に発生し、日本に接近するケースが捉えられていることがわかりました。特に、2週間前の段階から、現実の房総半島台風のように強い勢力を維持して関東地方を通過する予測実験もありました。1000通りの実験を調べると、台風の発生、発達、 経路は大規模な大気の環境場の影響を受けることがわかります。本講演では、台風を事前に予測するための大気の環境場の重要性について解説し、台風の2週間前からの延長予測の可能性の現状について紹介します。
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15:35~16:15
~テーマ3~「気象シミュレーションソフトは富岳をどれだけうまく活用出来るか?」
八代 尚【テーマ3代表】(国立環境研究所 地球システム領域・主任研究員)
「富岳」の性能を活かし、大規模な気象シミュレーション実験を防災・減災に役立てていくには、新しいコンピュータの特性を捉えたソフトウェアの改良が重要となります。我々は「富岳」開発当初から、計算機、気象シミュレーションモデル、そして観測データをシミュレーションに取り込むデータ同化システムとの間の協調設計(コデザイン)を進め、2020年には世界最大規模の気象計算を「富岳」を用いて実現しました。本講演では「富岳」での気象シミュレーションソフトウェアの開発における我々の取り組みについて、計算科学という側面から紹介いたします。
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16:15~16:30
質疑応答
詳しくはこちらをご覧下さい。
https://cesd.aori.u-tokyo.ac.jp/fugaku/sympo2021.html